コエテクの女帝はなぜ「最強の投資家」なのか?コーエーテクモの決算資料がヤバい件

歴史シミュレーションゲームや三国志・ガンダム無双等でおなじみの「コーエーテクモ」。多くのゲーマーにとってはお馴染みの企業ですが、投資家の目線で見ると、その正体は少し違った姿が見えてきます。
なんと、「本業は投資。副業がゲームソフト会社」と言われるほどの驚異的な収益構造を持っているのです。



「女帝」が築いた、染料会社からゲーム帝国への道
コーエーテクモの歴史は異色です。元々は染料問屋の会社だったことを知っている人は少ないかもしれません。
創業者の夫にマイコン(現在でいうパソコン)をプレゼントした奥様こそが、現在もスゴ腕を振るう「女帝」こと襟川恵子氏。染料問屋を経営する夫にマイコンをプレゼント。夫が「自作したゲームソフト」を雑誌に掲載したらバカ売れ。そこから歴史シミュレーションゲームの金字塔を打ち立てる企業へと成長しました。
夜な夜なソフトをプログラムするのは楽しかった。ゲーム雑誌に広告を載せたら翌日、現金書留が大量に届いた(大量の注文)という逸話も。
異常値?コーエーテクモの決算構造
直近の決算数値を見てみましょう。この数字の並びこそが、彼らが「投資家」である証拠です。
| 項目 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 今回の結果 | 875億円 | 360億円 | 555億円 | 415億円 |
| 変化 | △45億円(未達) | +50億円 | +185億円 | +145億円 |
通常、企業は「売上 > 営業利益 > 経常利益」となるのが一般的です。
しかしコーエーテクモは、営業利益 < 経常利益。つまり、本業のゲーム事業(営業利益)よりも、投資運用など(営業外収益)による儲けの方が遥かに大きいのです。

コーエーテクモHPより。

本業の営業利益<本業以外の経常利益(黄色マーカー部)となっています。
伝説の「ホワイトナイト」:スクエニとのバトル
彼らの強さは財務だけではありません。過去にはスクウェア・エニックスによる敵対的買収を阻止するため、ホワイトナイト(白馬の騎士)としてテクモ救済に乗り出したという伝説的な歴史もあります。(テクモ買収騒動)
ゲーム界の覇権争いの中、投資と経営で生き抜いてきた彼らの胆力は、まさに「女帝」の統治あってこそと言えるでしょう。
染料問屋をゲーム会社に変え、その業績を押し上げる功績を讃え襟川恵子氏の事を皆「女帝」と呼んでいます。
また、株主総会では会社の新製品や配当・優待以外に「襟川恵子氏の投資方法」を聞く株主もいたとか…?
結論:最強のポートフォリオ経営
コーエーテクモは、単なるゲーム会社ではありません。高い技術力とコンテンツ力で安定稼ぎつつ、その資金を「最強の投資」で雪だるま式に増やす、極めて稀有で理想的なポートフォリオ経営を実現しています。
「ゲームも面白いが、決算書も面白い」。これこそがコーエーテクモが投資家から愛される理由ではないでしょうか。