
異世界転生したら1996年の男子高校生だった?ーつむらじゃないんですが?28ー【小説ライトノベル】
ライトノベル(小説モノ)を書きたくなったので書いてみました。
目次
午前授業という名の「前哨戦」が終わり、僕は静まり返った廊下を歩いていた。
放送室の沈黙と、赤色の伝令
放送室の重い扉を開ける。
そこには、部長も、あの「抱きつき魔」の先輩も、カワニシさんもいなかった。
静寂と機械の匂いだけが、僕を迎え入れる。
「……あれ、誰もいないのか」
そう呟いた瞬間、背後で気配がした。
「モリモトくん、いた」
振り返ると、そこには学年カラーである「赤」を纏った女子が立っていた。
小柄で、知的な黒縁メガネ。
テキパキとした所作は、まるで行政機関の優秀な事務官のようだ。

彼女は放送部の先輩。
いや放送部と演劇部は兼任という裏ルールなので演劇部の二年生先輩。
「モリモトくんのこと、探してたよ。保健室に来てって」
「保健室……? 僕、どこか怪我してますか?」
「知らないわよ。私は伝令を頼まれただけだから」
事務的な報告だけを残し、彼女は風のように去っていった。
演劇部の先輩なのに、一ミリもドラマチックじゃないその淡々とした態度が、逆にこれから起こる「何か」を予感させた。
保健室の本陣、そして衝撃の作戦変更
保健室のカーテンの奥には、二人の「将軍」が待ち構えていた。
放送部顧問と、登山部顧問。
「モリモトくん、よく来た。これを授けよう」
手渡されたのは、手作り感溢れる一冊の冊子。『登山計画・しおり』の文字が躍る。
僕は震える手で、その行き先を確認した。
「……奈良県?」
「そうだ。奈良だ」
僕は耳を疑った。僕の頭の中では、すでに北アルプスの険しい岩肌と、ゴアテックスの鎧が火花を散らすシミュレーションが完了していたのだ。
「あの、アルプスは……? 標高三千メートルの戦場はどうなったんですか?」
「今回は『ハイキング』だ。まずは兵の足並みを揃えるのが先決だからな」
拍子抜けだ。軍資金を注ぎ込み、ルーズソックス教の誘惑を振り切り、あれほど精神を研ぎ澄ませてきたというのに。
僕の初陣は、三千メートルの絶壁ではなく、古都のなだらかな丘陵地いや、ならだからハイキングへと変更されたらしい。
誰もいない戦場をあとにして
集合場所や当日のタイムスケジュール、そして「シカに弁当を奪われないように」という平和すぎる注意点を聞き、軍議は終了した。
保健室を出ると、校舎からはすでに生徒たちの気配が消えていた。
セミの声だけが、無慈悲に降り注いでいる。
「奈良、か……」
重いザックを背負う覚悟をしていた肩が、少しだけ軽くなったような、それでいて物足りないような、奇妙な感覚。
けれど、大名は与えられた領地で戦うしかない。
僕は、誰もいない昇降口で登山靴の紐を確認した。
アルプスではない。けれど、そこにはきっと僕がまだ知らない「頂上」と「高山植物」が待っているはずだ。
夏休み。僕の「初陣」は、鹿の鳴き声と共に幕を開けるらしい。






ちょっと小説書いてみました。全部フィクションです!!

つむらさん、ちゃんと続き書いてくださいよ~!!
つづく。(たぶん)
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